Sert

セルトは、1902年生まれのバルセロナ出身の建築家で、GATCPACという建築集団を組織し た。1932年にはコルビュジェと共に、共和国政府時のバルセロナを訪れ、共同で都市計画を行っている。それ以降、コルビジェとのコラボは続き、建築に 留まる事なく都市計画レベルまで幅広く実践を行った。

1937年のパリ万博では、ピカソのゲルニカを展示したスペイン共和国のパビリオンを設計した。 また親友のミロの為に設計したマジョルカ島のアトリエは、師匠のコルビジェ譲りのモダンさを持った明快な建築である。薄いレンガを使ったカタランボールト屋根の明かり取りは、機能主義建築を超えたものとして 、世界中に地中海建築ブームを巻き起こした。

1975年には、バルセロナの街を望むモンジュイックの丘に、ミロ美術館を設計した。曲面屋根のトップサイドライトは、館内 に明るく穏やかな間接光を生み出し、各展示室の空間を作り出している。、マジョルカ島のミロのアトリエで用いた、レンガ造のカタランボールト屋根の明かり取りの屋根と同じ手法であるが、 美術館の曲面は鉄筋コンクリートをR状の木の型枠の中に流し込んで作っている為、形にシャープな切れがあり、よりモダンで合理的な建築形態となっている。今年 で30年を迎えたミロ美術館において、近代建築と都市計画への貢献、更にバルセロナの近代建築芸術都市の礎を作ったセルトの功績を讃え、「大セルト展」が開催された。

 

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1. コンクリ−ト打放し、白ペンキ塗りの、モダンで合理的な外観。 2. ミロ美術館入り口。4つの半円のボールトは、カタルーニャの紋章をシンボライズしている。 3. 眼下に広がるバルセロナの街を借景している。
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4. R状屋根の2種類のトップサイドライト。壁面は、塔上のコンクリート打放し部分と、4枚の洗出し部分との建築学的詳細コントラスト。

5. タピストリー作家ロヨとのコラボの巨大マクラメ。

6. 白い壁に黒の踏み面を挟み込んで造ったシンプルな階段

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7. 蹴上げ板がないので、庭を透かすことが出来る。

8. R状の塔屋のトップサイドライトからのやわらかい光。

9. 背中合わせのR状の塔屋のトップサイドライト部分。